胎児診断外来

胎児診断

当院では、胎児診断外来を開設しております。胎児診断外来は、超音波検査を使って胎児の形態的異常、機能的異常を精査するための専門外来です。胎児の状態に応じて様々な超音波技術を駆使し、胎児異常の有無、さらにはその病状や重症度(予後)について時間をかけて精査いたします。
出生前に赤ちゃんの様子を調べることにより、出産前から胎児の状況や病気を理解し、十分な説明と準備を行いながら出産を待つことができます。また、十分な治療を受けていただくため、精査で得られた情報をもとに、より安全なご出産を迎えるため、どうすべきかについてアドバイスやサポートを行っていきます。

こんな方はご相談ください。

  • 通常の妊婦健診で胎児異常がみつかった(もしくはその疑いがある)
  • ご自身または血縁者に先天異常児の妊娠・出産歴がある
  • 何らかの理由(例えば高齢妊娠など)で赤ちゃんのことが心配である
  • 専門医による胎児超音波診断を受けたい

※他院通院中の方、産科の先生方からのご依頼・ご紹介も大歓迎です

胎児スクリーニングの時期

胎児スクリーニングの時期は、19週~21週に中期超音波スクリーニング検査、30週に後期超音波スクリーニング検査をおすすめしています。

主な対象疾患や病態

形態的異常

先天性心疾患 心房中隔欠損・心室中隔欠損、大血管転位、両大血管右室起始、ファロー四徴症、房室・動脈弁疾患など
中枢神経系 水頭症、脳梁欠損、二分脊椎、脊髄髄膜瘤、Dandy-Worker 症候群など
呼吸器系 先天性のう胞性腺腫様奇形、横隔膜ヘルニア、肺分画症、肺低形成など
消化器系 先天性腸閉鎖、臍帯ヘルニア、腹壁破裂、胎便性腹膜炎など
泌尿生殖器系 多嚢胞性異形成腎、尿路閉鎖、腎無形成、陰嚢水腫、卵巣嚢腫など
骨格系 先天性骨系統疾患(四肢短縮症など)、多指症など
その他 口唇口蓋裂、嚢胞性リンパ管腫(胎児水腫)など

機能的異常

羊水量異常 羊水過多と過少の診断と関連疾患の有無の評価など
胎児胎盤機能不全 胎児胎盤循環の評価、子宮内胎児発育遅延の診断と重症度評価など
心不全 胸水、腹水、胎児水腫などを含む胎児心機能評価
多胎妊娠 双胎間輸血症候群の診断と重症度評価など

胎児に異常がみつかった場合

妊娠経過や出生後の見通しについて、主に以下に重点をおいて診断や評価・検討を行います。

  • 胎児の病状やその重症度について
  • 胎児治療や新生児治療の可能性・必要性・緊急性について
  • 母体と患児にとって適切な分娩方法と周産期医療施設について

胎児治療や新生児治療を要する以下のようなケースでは、その治療や分娩に対して受け入れ態勢が整っている地域の周産期医療施設をご紹介させて頂いております。

  • 胎児治療を要する疾患
    胎児不整脈、胎児貧血、双胎間輸血症候群など
  • 新生児治療を要する疾患
    先天性心疾患、横隔膜ヘルニア、臍帯ヘルニア、先天性腸閉鎖、呼吸器系の先天奇形など

産科医不足に伴い、産科医療の崩壊が叫ばれている昨今ですが、この胎児診断外来で、一人でも多くの赤ちゃんとそのご家族のお役に立てるよう、全力を尽くしてまいりたいと考えております。
お困りの方はどうぞご相談ください。

主な協力医療機関

神奈川県立こども医療センター

順天堂大学医学部付属順天堂医院 小児外科・小児泌尿生殖器外科


山高 篤行(ヤマタカ アツユキ)
順天堂大学医学部附属順天堂医院 小児外科・小児泌尿生殖器外科 教授

専門分野:小児外科
資格:
医学博士
小児外科学会認定指導医・専門医
日本外科学会認定指導医・専門医
日本内視鏡外科学会技術認定取得者
小児泌尿器科学会認定医
日本がん治療認定医機構 暫定教育医
日本小児外科血液・がん学会小児がん認定外科医
臨床修練指導医

お電話による予約について

  • 他院通院中の方は以下の情報を添えてお電話で予約をお取り下さい。
    (氏名/年齢/連絡先/紹介状の有無/妊娠週数/分娩予定日/胎児の状態)
  • 当院にて妊婦健診中の方は、外来スタッフまでお申し出ください。

Tel. 045-285-1103